2007年08月15日

良性発作性頭位めまい症

良性発作性頭位めまい症は、最近の「めまい専門外来」では最も多い疾患で、難聴を伴わない点がメニエール病との大きな違いです。

臥床時などに特定の体位(めまい頭位)をとると、めまい発作が出現します。
特に、夜間の臥床時や早朝の起床時に多く出現し、しばしば「天井が回る」と訴えます。
持続時間は数秒〜30秒間です。

フレンツェル眼鏡下に、仰臥位より左・右側臥位への頭位変化と、坐位より懸垂頭位への頭位変化とを行わせ、出現する眼振の性状とめまいの有無を検査します。
本症に特徴的な眼振は、坐位より懸垂頭位への頭位変化によって出現することが多いです。

良性発作性頭位めまい症

1)めまい頭位においては、眼振(回旋性成分の強い)が数秒の潜時をおいて出現し、次第に増強し、次いで減弱ないし消失する。
2)患者は眼振の出現に伴って、めまいを自覚する。しかし、同時に難聴、耳鳴を自覚することはない。
3)引続いて、めまい頭位をとらせると、眼振とめまいの出現は明らかに減弱する。
4)めまい頭位より坐位または仰臥位に戻したときに、反対方向に向かう、主に回旋性の眼振が出現することがある。
5)聴力検査、温度刺激検査において異常所見をみないことが多い。
6)直接の関連をもつ中枢神経症状を認めない。

1)、2)、3)が存在するときは、「良性発作性頭位めまい症」と診断する。
ニックネーム gigi at 18:25| 診断ガイドライン

メニエール病

 メニエール病は、めまいのときに難聴(耳の聞こえが悪くなる)、耳鳴り、耳がつまった感じなどの聞こえの症状を伴い、このようなめまい発作を反復する病気です。
発作時のめまいは高度で、吐き気、嘔吐を伴う場合が多数ですが、意識の障害や言葉のもつれ、運動の障害を伴うことはありません。

 難聴などの聞こえの症状は、発作後に軽快しますが、めまい発作を繰り返すたびに次第に増悪することがあります。
発作の間隔は、週1回程度から年数回程度まで様々です。
メニエール病のめまい発作は発症後1〜2年位の間に軽快する症例が多数ですが、症例によっては数年以上にわたる例もあります。
また、発作を繰り返すうちに難聴が回復せず、次第に高度となる症例があります。

 メニエール病の治療は、発作時と発作後で異なります。
発作時では、めまいと難聴への治療が主体となります。
また、発作後ではめまい発作を予防し、発作の間隔ができるだけ長くなるように、色々な対策を講じます。

 メニエール病の発作は、ストレス、過労、睡眠不足などがきっかけで起こる場合が多いので、これらをできるだけ避け規則正しい生活を送るようライフスタイルの見直しも重要です。
発作の予防対策は薬物治療が主体ですが、発作が頻発する場合には種々の手術治療の対象となります。


メニエール病診断の手引き(厚生省研究班、1974年)

1.回転性めまい発作を反復すること
(1)めまいは一般に特別の誘因なく発来し、嘔き気、嘔吐を伴い、数分ないし数時間持続する。
(2)発作のなかには、「回転性」めまいでない場合もある。
(3)発作中は水平、回旋混合性の自発眼振をみることが多い。
(4)反復性の確認されぬ初回発作では、めまいを伴う突発性難聴と充分鑑別されなければならない。

2.耳鳴、難聴などの蝸牛症状が反復、消長すること
(1)耳鳴、難聴の両方またはいずれかの変動に伴いめまい発作をきたすことが多い。
(2)耳閉塞感や強い音に対する過敏性を訴える例も多い。
(3)聴力検査では、著明な中・低音部閾値変動や音の大きさの補充現象を呈することが多い。
(4)一耳罹患を原則とするが両耳の場合もみられる。

3.1、2の症状をきたす中枢神経疾患、ならびに原因既知のめまい、難聴を主訴とする疾患が除外できる。
 これらの疾患を除外するためには、問診、一般神経学的検査、平衡機能検査、聴力検査などを含む専門的な臨床検査を行い、時には経過観察が必要な場合もある。

診断の基準

I 確実例:1.2.3.の全条件を充たすもの
II 疑い例:1と3、または2と3の条件を充たすもの
ニックネーム gigi at 16:23| 診断ガイドライン

2007年07月19日

主なステロイド外用薬

I群 ストロンゲスト

(一 般 名 )
プロピオン酸クロベタゾール
酢酸ジフロラゾン

(代表的な製品名)
デルモベート
ジフラール、ダイアコート


II群 ベリーストロング

(一 般 名 )
フランカルボン酸モメタゾン
酪酸プロピオン酸ベタメタゾン
フルオシノニド
ジプロピオン酸ベタメタゾン
ジフルプレドナート
ブデソニド
アムシノニド
吉草酸ジフルコルトロン
酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン

(代表的な製品名)
フルメタ
アンテベート
トプシム、シマロン
リンデロンDP
マイザー
ブデソン
ビスダーム
ネリゾナ、テクスメテン
パンデル


III群 ストロング

(一 般 名 )
プロピオン酸デプロドン
プロピオン酸デキサメタゾン
吉草酸デキサメタゾン
ハルシノニド
吉草酸ベタメタゾン
プロピオン酸ベクロメタゾン
フルオシノロンアセトニド

(代表的な製品名)
エクラー
メサデルム
ボアラ、ザルックス
アドコルチン
リンデロンV、ベトネベート
プロパデルム
フルコート、フルゾン


IV群 マイルド

(一 般 名 )
吉草酸酢酸プレドニゾロン
トリアムシノロンアセトニド
ピバル酸フルメタゾン
プロピオン酸アルクロメタゾン
酪酸クロベタゾン
酪酸ヒドロコルチゾン

(代表的な製品名)
リドメックス
レダコート、ケナコルトA
ロコルテン
アルメタ
キンダベート
ロコイド


V群 ウィーク

(一 般 名 )
プレドニゾロン
酢酸ヒドロコルチゾン

(代表的な製品名)
プレドニゾロン
コルテス
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アトピー性皮膚炎の定義・診断基準(日本皮膚科学会)

アトピー性皮膚炎の定義・診断基準(日本皮膚科学会)

アトピー性皮膚炎の定義(概念)
「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰返す、痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ。」
アトピー素因:
(1)家族歴・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、あるいは複数の疾患)
(2)IgE抗体を産生し易い素因。

アトピー性皮膚炎の診断基準
1. 掻痒
2. 特徴的皮疹と分布
(1) 皮疹は湿疹病変
  ●急性病変:紅斑、湿潤性紅斑、丘疹、漿液性丘疹、鱗屑、痂皮
  ●慢性病変:浸潤性紅斑・苔癬化病変、痒疹、鱗屑、痂皮
(2) 分布
●左右対側性 好発部位:前額、眼囲、口囲・口唇、耳介周囲、
   頸部、四肢関節部、体幹
●参考となる年齢による特徴
   乳児期 :頭、顔にはじまりしばしば体幹、四肢に下降。
  幼小児期:頸部、四肢屈曲部の病変。
  思春期・成人期:上半身(顔、頸、胸、背)に皮疹が強い傾向。

3. 慢性・反復性経過(しばしば新旧の皮疹が混在する)
乳児では2ヵ月以上、その他では6ヵ月以上を慢性とする。

上記1、2、および3の項目を満たすものを、症状の軽重を問わずアトピー性皮膚炎と診断する。

そのほかは急性あるいは慢性の湿疹とし、経過を参考にして診断する。

除外すべき診断  
●接触皮膚炎     
●脂漏性皮膚炎 
●単純性痒疹     
●疥癬        
●汗疹
●魚鱗癬 
●皮脂欠乏性湿疹
●手湿疹
(アトピー性皮膚炎以外の手湿疹を除外するため)


診断の参考項目  
●家族歴
(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、
 アトピー性皮膚炎)
●合併症
(気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎)
●毛孔一致性丘疹による鳥肌様皮膚
●血清IgE値の上昇  

アトピー性皮膚炎の定義・診断基準(日本皮膚科学会)
http://www.kyudai-derm.org/atopy/fuhyo_1.html
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熱性けいれん児に対する予防接種

(1)対象

単純型熱性けいれん で、1カ月以上けいれんが無い児。
    
複合型熱性けいれん の場合は、最終発作から3ヵ月以上経過して接種することが望ましい。

初回のけいれん発作の場合は、てんかんや変性疾患等の鑑別のため2〜3ヵ月の観察期間をおいた後に接種することが望ましい。

ただしポリオ、BCGは、発作から1ヵ月以上経過すれば接種可能である。
これらの接種基準は、接種を受ける小児の状況により、主治医の判断で変更可能である。

ここで複合型熱性けいれんとは、以下の項目のうち、1項目でも該当する者をいう。

 ・熱性けいれん発症前の明らかな神経学的異常もしくは発達遅滞
 ・生後6ヵ月未満および5歳以降の発症
 ・非定型発作 (i)部分発作
         (ii)発作の持続が15分以上
        (iii)24時間以内の発作の反復


(2)予防接種の基本的な事項

現行の予防接種はすべて行って差し支えない。
ただし、接種する場合には次の事を行う必要がある。

・両親、保護者に対し、個々の予防接種の必要性、副作用、有用性などについて十分な説明と同意に加え、発熱、けいれん及びけいれん予防の対策を指導する。

・主治医、または小児神経医もしくは予防接種担当医が個別に接種する。

・発熱、けいれん及びけいれん予防に対する対策

発熱の予測される予防接種(特に麻疹)では発熱を認めたらジアゼパム坐薬、経口剤のいずれかを予防的に投与する。
万一けいれんがおこってしまった場合、主治医などに相談する。
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2007年07月12日

甲状腺炎の診断ガイドライン

診断名
1)慢性甲状腺炎(橋本病)
a)およびb)の1つ以上を有するもの

a)臨床所見
1. びまん性甲状腺腫大
但しバセドウ病など他の原因が認められないもの
b)検査所見
1. 抗甲状腺マイクロゾーム(またはTPO)抗体陽性
2. 抗サイログロブリン抗体陽性
3. 細胞診でリンパ球浸潤を認める

付記
1. 他の原因が認められない原発性甲状腺機能低下症は慢性甲状腺炎(橋本病)の疑いとする。
2. 甲状腺機能異常も甲状腺腫大も認めないが抗マイクロゾーム抗体およびまたは抗サイログロブリン抗体陽性の場合は慢性甲状腺炎(橋本病)の疑いとする。
3. 自己抗体陽性の甲状腺腫瘍は慢性甲状腺炎(橋本病)の疑いと腫瘍の合併と考える。
4. 甲状腺超音波検査で内部エコー低下や不均一を認めるものは慢性甲状腺炎(橋本病)の可能性が強い。

診断名
1)亜急性甲状腺炎
a)およびb)の全てを有するもの

2)亜急性甲状腺炎の疑い
a)とb)の1および2

a) 臨床所見
有痛性甲状腺腫

b)検査所見
1. CRPまたは赤沈高値
2. 遊離T4高値、TSH低値(0.1μU/ml以下)
3. 甲状腺超音波検査で疼痛部に一致した低エコー域

除外規定
橋本病の急性増悪、嚢胞への出血、急性化膿性甲状腺炎、未分化癌

付記
1. 上気道感染症状の前駆症状をしばしば伴い、高熱をみることも稀でない。
2. 甲状腺の疼痛はしばしば反対側にも移動する。
3. 抗甲状腺自己抗体は原則的に陰性であるが経過中弱陽性を示すことが有る。
4. 細胞診で多核巨細胞を認めるが、腫瘍細胞や橋本病に特異的な所見を認めない。
5. 急性期は放射線ヨード(またはテクネシウム)甲状腺摂取率の低下を認める。
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無痛性甲状腺炎の診断ガイドライン

診断名
1)無痛性甲状腺炎
a)およびb)の全てを有するもの

2)無痛性甲状腺炎の疑い
a)の全てとb)の1〜3を有するもの

a)臨床所見
1. 甲状腺痛を伴わない甲状腺中毒症
2. 甲状腺中毒症の自然改善(通常3ヶ月以内)

b)検査所見
1. 遊離T4高値
2. TSH低値(0.1μU/ml以下)
3. 抗TSH受容体抗体陰性
4. 放射性ヨード(またはテクネシウム)甲状腺摂取率低値

除外規定
甲状腺ホルモンの過剰摂取例を除く。

付記
1. 慢性甲状腺炎(橋本病)や寛解バセドウ病の経過中発症するものである。
2. 出産後数ヶ月でしばしば発症する。
3. 甲状腺中毒症状は軽度の場合が多い。
4. 病初期の甲状腺中毒症が見逃され、その後一過性の甲状腺機能低下症で気付かれることがある。
5. 抗TSH受容体抗体陽性例が稀にある。
ニックネーム gigi at 16:15| Comment(0) | 診断ガイドライン

甲状腺機能低下症の診断ガイドライン

診断名
原発性甲状腺機能低下症
a)およびb)を有するもの

a)臨床所見
無気力、易疲労感、眼瞼浮腫、寒がり、体重増加、動作緩慢、嗜眠、記憶力低下、便秘、嗄声等いずれかの症状

b)検査所見
遊離T4低値およびTSH高値

付記
1. 慢性甲状腺炎(橋本病)が原因の場合、抗マイクロゾーム(またはTPO)抗体または抗サイログロブリン抗体陽性となる。
2. 阻害型抗TSH受容体抗体により本症が発生することがある。
3. コレステロール高値、クレアチンフォスフォキナーゼ高値を示すことが多い。
4. 出産後やヨード摂取過多などの場合は一過性甲状腺機能低下症の可能性が高い。

診断名
中枢性甲状腺機能低下症
a)およびb)を有するもの

a)臨床所見
無気力、易疲労感、眼瞼浮腫、寒がり、体重増加、動作緩慢、嗜眠、記憶力低下、 便秘、嗄声等いずれかの症状

b)検査所見
遊離T4低値でTSHが低値〜正常

除外規定
甲状腺中毒症の回復期、重症疾患合併例、TSHを低下させる薬剤の服用例を除く。

付記
1. 視床下部性甲状腺機能低下症の一部ではTSH値が10μU/ml位まで逆に高値を示すことがある。
2. 中枢性甲状腺機能低下症の診断では下垂体ホルモン分泌刺激試験が必要なので、専門医への紹介が望ましい。
ニックネーム gigi at 16:12| Comment(0) | 診断ガイドライン

バセドウ病の診断ガイドライン

診断名
1)バセドウ病
a)の1つ以上に加えて、b)の4つを有するもの

2)確からしいバセドウ病
a)の1つ以上に加えて、b)の1、2、3を有するもの

3)バセドウ病の疑い
a)の1つ以上に加えて、b)の1と2を有し、遊離T4、遊離T3高値が3ヶ月以上続くもの

a) 臨床所見
1. 頻脈、体重減少、手指振戦、発汗増加等の甲状腺中毒症所見
2. びまん性甲状腺腫大
3. 眼球突出または特有の眼症状

b) 検査所見
1. 遊離T4、遊離T3のいずれか一方または両方高値
2. TSH低値(0.1μU/ml以下)
3. 抗TSH受容体抗体(TRAb, TBII)陽性、または刺激抗体(TSAb)陽性
4. 放射線ヨード(またはテクネシウム)甲状腺摂取率高値、シンチグラフィでびまん性

付記
1. コレステロール低値、アルカリフォスターゼ高値を示すことが多い。
2. 遊離T4正常で遊離T3のみが高値の場合が稀にある。
3. 眼症状がありTRAbまたはTSAb陽性であるが、遊離T4およびTSHが正常の例はeuthyroid Graves' diseaseまたはeuthyroid ophthalmopathyといわれる。
4. 高齢者の場合、臨床症状が乏しく、甲状腺腫が明らかでないことが多いので注意をする。
5. 小児では学力低下、身長促進、落ち着きの無さ等を認める。
6. 遊離T3(pg/ml)/遊離T4(ng/dl) 比は無痛性甲状腺炎の除外に参考となる。
ニックネーム gigi at 16:10| Comment(0) | 診断ガイドライン